【ユベントス】イタリアサッカー界を失墜させた八百長事件!
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今日も特別編として、海外サッカーについて解説するわ。
ついに海外サッカーですね!
どこのクラブの紹介ですか?
ユヴェントスですか?
なにかやらかしがあるんですか?
今回はユヴェントスとイタリアのカルチョ・スキャンダルについて簡単に解説するわね。
ユヴェントスは、イタリアのトリノをホームタウンとする、イタリアプロサッカーリーグのセリエAに所属するプロサッカークラブ。
1923年以降は、多数の実業家を輩出する、イタリアの名門一族のアニェッリ家がオーナーとなっており、2018年8月現在は、アニェッリ家の投資会社「エクソール」が、クラブの株式の63.77パーセントを所有しているわ。
ユヴェントスはラテン語で「若者」や「青春」を意味する、ユウェントゥスに由来しているの。
略称でユーヴェとも呼ばれるわ。
サポーターは、ユヴェンティーノと呼ばれているの。
ユヴェントスって聞いたことはありますが、そんなに凄いクラブなんですか?
ユヴェントスが凄かったのは、1990年代の中盤ね。
その頃はアレッサンドロ・デル・ピエロやジネディーヌ・ジダン、フィリッポ・インザーギ、ディディエ・デシャンなど、ヨーロッパで活躍した代表級の選手が多く加入していたの。
95-96シーズンはUEFAチャンピオンズリーグで優勝。
トヨタカップにも勝利して、世界一のクラブにもなったのよ。
そんな凄いユヴェントスのどこにやらかしがあるんですか?
実は不正事件を起こして、2シーズンのスクデット(セリエA優勝)の剥奪とユヴェントス史上、初のセリエB(2部リーグ)降格処分になったのよ。
ユヴェントスのようなビッグクラブでも、八百長とかあるんですね!
組織的に審判の買収や脅迫を行い、ユヴェントスに有利な判定を行うよう指示していたの。
当時のイタリアサッカー連盟の会長だったフランコ・カラーロや審判協会元会長であるトゥーリオ・ラネーゼも、これに協力していたとされていたわ。
2006年5月に発覚したイタリアサッカー界の一大スキャンダルで、カルチョ・スキャンダルやカルチョーポリと呼ばれているわ。
ユヴェントスの他にもACミラン、フィオレンティーナ、ラツィオ、レッジーナなどが関与していたけど、ユヴェントスの元ゼネラルマネージャーのルチアーノ・モッジや、アントニオ・ジラウドCEOが主犯格だったの。
この事件よって、イタリアサッカー界の腐敗体質が、世界中に知れ渡ることとなったの。
1980年代後半から1990年代前半までは、ユヴェントスはリーグ優勝から遠ざかっていたわ。
ユヴェントスは1990年に、イタリアワールドカップの際に建設されたトリノ郊外にあるスタジアム・デッレ・アルピへ本拠地を移転したことで、観客動員数が低下したの。
平日開催やコッパ・イタリア(カップ戦)の試合の時は、ガラガラになる事が多かったの。
郊外にあり交通の便が悪い。
周辺の治安が悪い。
陸上トラックがあるためスタンドから見にくい。
スタジアムが大き過ぎる。
って事が観客動員数低下の理由ね。
ちなみに今はサッカー専用スタジアムに建て替えられて、ユヴェントス・スタジアムになっているわ。
さらにイタリアの自動車メーカーのフィアットからのスポンサー資金が供給されなくなるなど、この頃のユヴェントスの状況は最悪だったの。
それでも1994年にマルチェロ・リッピを監督に、モッジをGMに招聘するなどチームは大幅な刷新を行って、ユヴェントスは多くのタイトルを獲得することに成功したわ。
常勝軍団の座を確固たるものにしたの。
ユヴェントスが強くなったのは、GMのモッジによるところが多かったわ。
でも、ACミランやインテルのような、大型補強が行えないなどの悪条件で、常勝軍団の座を守ることが求められたわ。
そんな中、1997-98シーズンのインテル戦で、審判買収疑惑とドーピング疑惑が浮上したわ。
イタリア全土を巻き込んだかたちとなったけど、確証までには至らなかったの。
2000年代前半以降は、ACミランとユヴェントスがタイトルを分け合うようになっていくの。
そして、2005年頃から多くの不正疑惑が浮上するようになるの。
モッジはユヴェントスだけでなく、イタリアサッカー界に絶大な権力を発揮していたの。
その裏で「モッジ・システム」と呼ばれる、組織的に審判を買収、脅迫し、試合を有利な判定を行うシステムを確立したわ。
反モッジ派のクラブに対しては、不利な判定を行うようになったの。
2004-05シーズンのフィオレンティーナのように、残留争いに巻き込まれるクラブも少なくなかったわ。
逆にモッジ・システムに加入したクラブには、試合を有利に進めることができたわ。
フィオレンティーナも降格圏内に入ってしまったために、加入してしまったみたいね。
そして2006年4月に、2004-05シーズンの審判選出に関して、イタリアサッカー連盟に圧力をかけることで、ユヴェントスに有利な判定を引き出したことや、他チームの試合結果を操作したことなどが、盗聴により明るみに出て、イタリアのスポーツ新聞のガゼッタ・デロ・スポルトが大きく報道したわ。
これによって、選手の自宅も含めた家宅捜索が頻繁に行われたの。
イタリアサッカー界を揺るがす大スキャンダルへと発展したわ。
盗聴で明るみになったって。
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盗聴されてたんですね。
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悪いことはバレるものなのですね。
2005-06シーズン終了後、モッジやジラウドら主犯格とされた人物が次々と辞任し、カラーロやラネーゼをはじめとした、イタリアサッカー連盟の関係者や審判員などモッジ・システムに関わった人たちが、次々にイタリアサッカー界から去っていったわ。
不正があったとされる2004-05/2005-06シーズンのユヴェントスのスクデット(優勝)は剥奪されたわ。
2004-05シーズンは優勝クラブなしとなり、2005-06シーズンはインテルの繰り上げ優勝となったわ。
さらに主犯格だったユヴェントスは、クラブ初のセリエBに降格処分だったの。
八百長は犯罪だからね。
これによって、主力選手の海外移籍が行われ、イタリアサッカーのレベルが低下したの。
ユヴェントスでは、ファビオ・カンナヴァーロやジャンルカ・ザンブロッタなどがスペインに移籍して、ズラタン・イブラヒモビッチや、パトリック・ヴィエラらがインテルへ移籍したわ。
クラブ間の戦力差も拡大したの。
これ以降セリエAは、インテルの独擅場が続き、繰り上げ分も含めて、2005-06シーズンから2009-10シーズンまでインテルは、セリエAで5連覇を達成したわ。
もちろんあったわ。
各クラブの処分内容をまとめたわ。
ユヴェントスセリエBへ降格。
2006-07シーズンを勝ち点マイナス9からスタート。
2004-05/2005-06シーズンのスクデット剥奪。
2006-07シーズンのホームゲーム3試合を中立地で開催。
罰金12万ユーロ。
ACミラン2005-06シーズンの勝ち点から30ポイント剥奪。
これにより2位から3位へ転落したわ。
2006-07シーズンを勝ち点マイナス8からスタート。
2006-07シーズンのホームゲーム1試合を中立地で開催。
罰金10万ユーロ。
フィオレンティーナ2005-06シーズンの勝ち点から30ポイント剥奪。
これにより4位から9位へ転落して、UEFAチャンピオンズリーグ出場資格剥奪。
2006-07シーズンを勝ち点マイナス15からスタート。
2006-07シーズンのホームゲーム2試合を中立地で開催。
罰金10万ユーロ。
ラツィオ2005-06シーズンの勝ち点から30ポイント剥奪。
これにより6位から16位へ転落して、UEFAカップ出場資格剥奪。
2006-07シーズンを勝ち点マイナス3からスタート。
2006-07シーズンのホームゲーム2試合を中立地で開催。
罰金10万ユーロ。
他にもレッジーナとセリエBにいたアレッツォにも処分が下ったわ。
他のクラブも厳しい処分だったのですね。
その後のユヴェントスはどうなったのですか?
ユヴェントスはカルチョ・スキャンダルでの厳しい処分による影響や相次ぐ主力放出により、セリエBでも苦戦が予想されたわ。
でも、ユヴェントスに残留したアレッサンドロ・デル・ピエロ、ダヴィド・トレゼゲ、ジャンルイジ・ブッフォン、パベル・ネドベドなどが、デシャン監督の下、セリエB優勝を決めて、1年でのセリエA復帰を果たしたわ。
主力選手の中でも、ユヴェントスに残った選手もいたのですね。
セリエAに復帰した2007-08シーズンは、UEFAチャンピオンズリーグへの出場は難しいだろうと考えられていたけど、予想を覆す勢いで勝利を挙げ、セリエAを3位でシーズンを終えたわ。
これによって、UEFAチャンピオンズリーグの予備戦の3回戦からの復帰が確定したわ。
デル・ピエロとトレゼゲの2トップは、リーグ戦合計で41ゴールを挙げたの。
デル・ピエロは21ゴールで、得点王のタイトルを獲得したわ。
結局、八百長なんてしなくても、ユヴェントスは強かったのですね!
そうなんだよね。
この事件のせいで、セリエAの世界No.1リーグの座が完全に失墜したわ。
台頭してきたのがスペインリーグね。
未だにセリエAはあまりパッとしなくて、イタリアにとっては負の遺産となったわ。
またヨーロッパでセリエAが輝きを取り戻すといいわね。
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