【ファジアーノ岡山】不運にも2つのJリーグワースト記録を樹立しまった創成期のエピソード。
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ハードワークなサッカーで頑張っているクラブ、というイメージがあるわね。
今日は「ファジアーノ岡山」について、解説するね!
ファジアーノ岡山は岡山市、倉敷市、津山市を中心とした岡山県全県をホームタウンとするチームよ。
ホームスタジアムは岡山市にあるシティライトスタジアム。
練習場は同じく岡山市にある政田サッカー場ね。
「ファジアーノ」はイタリア語でキジという意味で、マスコットはそのキジをモチーフとしたファジ丸よ。
やっぱり岡山といえば桃太郎が関係しているのでしょうか?
もちろんそうよ!
また、キジは岡山県の県鳥でもあるの。
ファジアーノ岡山の前身は、リバー・フリー・キッカーズ(RFK)というチームで、これは川崎製鉄水島サッカー部のOBによって、1975年に倉敷市で結成されたチームよ。
あれ?
川崎製鉄水島サッカー部って、ヴィッセル神戸の前身になったチームですよね?
そのとおりよ!
チームの源流はヴィッセル神戸と同じと言えるわね。
なるほどー。
ヴィッセル神戸とは兄弟チームのような関係なんですね!
ヴィッセル神戸の動画でも触れたけど、リバーフリーキッカーズは、実質的に川崎製鉄水島サッカー部の下部チームとして活動をしてたようね。
長らくずっと県リーグで戦ってきたわ。
川崎製鉄がヴィッセル神戸になったときは、どうなったのですか?
もともと有志によるチームであることから、水島に残ったのよ。
ヴィッセルからの退団選手なども受け入れたわ。
そして、チームの転機になったのは、2005年に岡山で国体が開催されることが決まったことね。
岡山県サッカー協会が、成人の部を強化するのにあたり、Jリーグを目指すクラブとなることを決めたの。
ちなみにこの国体に合わせて、2003年に競技場が全面改築されているわ。
そういう意味でもタイミングが良かったと言えるわね。
2003年に、リバーフリーキッカーズを中核として、ファジアーノ岡山フットボールクラブが創設され、また、2004年にNPO法人として、運営会社の岡山ヒューマンスポーツクラブが設立されるわ。
そのため、2004年が正式な創設年とされているようね。
この年には県1部リーグを全勝で優勝し、入替戦も制して、中国リーグに昇格。
2005年には中国リーグ2位で、JFL昇格をかけた地域リーグ決勝に進出したけど、1次ラウンドで敗退しているわ。
ちなみにこの時の同じグループには、ロッソ熊本とグルージャ盛岡、現・ロアッソ熊本といわてグルージャ盛岡がいたわ。
どちらも2021年にJ2昇格を果たしたチームね。
翌2006年には、株式会社ファジアーノ岡山スポーツクラブとして、株式会社化されたわ。
そして、代表取締役に元ゴールドマン・サックス執行役員の木村正明氏が就任するわ。
アメリカの大きい金融企業よ。
地域リーグのチームの社長として、外資系企業の役員をやっていた人が来るのは珍しいと思うわ。
中学時代の友人から誘われたみたいなんだけど、岡山への郷土愛から話を受けたそうよ。
社長就任時、資本金500万円に対して負債が1000万円以上あり、スポンサーはわずか6社で、年間予算はわずか400万円しかなくとてもプロを目指せる状態ではなかったわ。
この年、中国リーグで優勝し、再び地域リーグ決勝に進出したわ。
4チームが参加する決勝ラウンドに進出し、V・ファーレン長崎、FC岐阜、ブラウブリッツ秋田の前身のTDKサッカー部と戦ったわ。
ここで4チーム中3位になって、惜しくもJFL昇格を逃すわ。
Jリーグを目指すチームにとって、最初の最大の関門と言えるわね。
2007年は新経営陣の営業努力により、年間収入を約9000万円、スポンサーを200社まで増やしたわ。
この年にJリーグ準加盟が承認されたの。
これは今のJリーグ百年構想クラブができる前の制度で、J2への入会資格を得るのに必須であったんだけど、当時地域リーグのクラブとしては初めて認められたわ。
それだけ努力が認められたということですね!
チームの成績の方はどうだったのですか?
この年は選手を前年から大幅に入れ替えて、プロ契約選手を増やし、2022年も岡山に在籍している喜山康平などを獲得したの。
成績は14戦14勝、得失点差+74の圧倒的な成績で、中国リーグ優勝。
決勝ラウンドでも1位になって昇格を決めるわ!
そして2008年、勢いはそのままに、開幕戦で「Jの番人」と言われるHonda FCに勝利し、勢いそのままに開幕6連勝で首位に立つわ。
ただ、その後は苦しいシーズンが続いたわ。
年間成績4位以内がJリーグ昇格の条件だったんだけど、最終戦の前で、5位のガイナーレ鳥取と勝ち点2差の4位とギリギリの状況だったわ。
最終戦のカターレ富山戦は引き分けで、自力での昇格は決められなかったのだけど、ガイナーレ鳥取が敗れたことで4位を確定させたわ。
当時の昇格要件には、スポンサー収入が1億円以上というのがあったんだけど、昇格が早くて集める期間も短く、到達するか微妙な状況だったのよ。
それもなんとか最終戦までには見通しがついて、2009年からのJ2昇格が決まったわ!
晴れてJリーグの舞台で戦うことになった2009年だけど、やっぱり前年ギリギリでの昇格ということもあり、戦力的に厳しかったわ。
まだまだ歴史も浅いですし、ユースの選手もいなくて難しいでしょうね。
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そのため、若手選手を大量に抱えて、この年にセカンドチームを作って育成する方針を立てたの。
ただ、トップチームの方は、この年最下位になってしまうの。
そして2つのワースト記録を樹立してしまうわ。
1つ目は8試合連続無得点記録ね。
1シーズン内で達成された記録としては、今でもJリーグ全体で破られていないわ。
12時間以上も点が入らないということですよね?
それってサポーターからしたら連敗よりもきついかもしれません。
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もう一つは最小観客数記録ね。
甲府の動画で触れた最小観客数記録を4人更新して、615人という記録をつくってしまうわ。
こちらも無観客試合やコロナで入場制限をした試合を除くと、今でもJ2以上では最低記録よ。
やっぱり甲府のように、最初は観客動員に苦労したのですか?
いえ、むしろ平均入場者は6000人を超えてJ2全体でも7位、J1未経験クラブでは最多で、昇格1年目としてはかなり健闘したわ。
実はかなり不運な記録ではあったのよね。
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スタジアムの問題で隣の県の鳥取での開催になったこと、平日の夜の試合であったこと、台風が接近していたことや、対戦相手が同じく昇格したばかりの栃木SCであったことなど、集客面で悪条件が重なってしまったのよね。
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ということで、1年目には不名誉な記録も出てしまうんだけど、以降観客動員は少しずつ伸び、順位も少しずつ伸ばして、中位に定着するようになるわ。
この間もJリーグ初の東大生の獲得や、雪山や無人島キャンプなどの、独自のキャンプで話題になっていたわ。
キャンプと言ってもシーズン前のレクリエーションに近くて、もちろんその後ちゃんとキャンプはやっているわよ。
そういえば、ヴィッセル神戸との兄弟対決はあったのですか?
Jリーグ公式戦では、2013年にヴィッセル神戸がJ2に降格した時に対戦しているわ。
神戸で行われたアウェーの試合では、3-3の引き分け。
ホームで行われた試合では、なんと1-0で勝利したのよ!
そして2015年、ファジアーノ岡山に転機が訪れるわ。
チームの転機になったのは、元日本代表で、ワールドカップ経験者の岩政大樹、加地亮の加入ね。
これまでJ1経験が豊富な選手は少なかったけど、この2人がチームに経験をもたらすわ。
2015年は失点は少なかったけど、勝ちきれない試合が多く、42試合中18引き分けを喫して、11位でシーズンを終えるわ。
有力なセンターフォワードがいなかったことが痛かったわね。
そこで、2016年には、さらにJ1での実績も豊富なFW、赤嶺真吾が加入、センターフォワードの補強に成功するわ。
その他にも、リオオリンピック代表の矢島慎也や、代表候補だった豊川雄太の活躍もあり、得点力を伸ばしたことで、前半戦を4位で折り返したの。
シーズン終盤に8試合勝ち無しと苦しんだけど、なんとか昇格プレーオフ出場圏内の6位でシーズンを終えたわ。
プレーオフ初戦で3位の松本山雅FCと対戦し、前半に先制するも、後半途中で追いつかれ、このまま同点では敗退というところで、後半アディショナルタイムに赤嶺真吾の劇的なゴールで、決勝進出を決めたわ!
シーズンではセンターフォワードとしての貢献度は高かったけど、4得点しか取れていなかったから、本当に劇的なゴールだったと言えるわね。
そして決勝ではセレッソ大阪が相手になったんだけど、0-1で及ばず、J1昇格にはあと一歩足りなかったわ。
それ以降は、現在までなかなか中位から抜け出せない状況が続いているわ。
J3への降格の危機もなければ、昇格のチャンスもつかめず、14シーズン連続でJ2で戦っているわね。
下部リーグからの昇格でJリーグに入ったチームの中では、それだけ長く同じディビジョンで戦っているのは、珍しいかもしれないですね。
ファジアーノ岡山は市民クラブの中では経営が優秀で、もちろんコロナの打撃はあったけど、J昇格以降は経営が危うくなったりすることはなく、基本的には経営規模もずっと拡大してきているわ。
現在は、オーストラリア代表選手のミッチェル・デュークも抱えているし、いつかJ1への昇格を果たしてほしいチームね。
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