【しくじり解説】サガン鳥栖・創成期のチーム消滅危機を乗り越え、J1定着11年目!
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サガン鳥栖ですか?
前にフェルナンド・トーレスを獲得して話題になっていたクラブですよね!
クラブ創成期にはクラブが消滅しかけるところだったの。
それじゃ、今日は「サガン鳥栖」について解説するね。
サガン鳥栖は、佐賀県鳥栖市をホームタウンとするプロサッカークラブです。
運営母体は株式会社サガンドリームス。
チーム名の「サガン」は、砂粒が固まって砂岩になるように、小さい力を集結させ、立ち向かうことを表しているの。
また、セリエAの「ユベントス」と同じ抑揚で発音するのが、Jリーグ公認とされているわ。
ホームスタジアムは鳥栖スタジアム。
今はネーミングライツで駅前不動産スタジアム(駅スタ)となっているわ。
練習場は鳥栖市北部グラウンド、および鳥栖市陸上競技場で、クラブマスコットは佐賀県の県鳥である「カチガラス」をモチーフとした「ウィントス」。
鳥栖市がホームタウンだけど、佐賀県第二の都市である唐津市に下部組織(U-15唐津)の設置や、佐賀県全域でサッカースクールを開校するなど、佐賀県全域での活動を行っているの。
さらには、鳥栖市と地理的に関連の深い福岡県筑後地方でも、鳥栖市が久留米市、小郡市などと組織する「筑後川流域クロスロード協議会」が支援しているほか、スポンサーの一つであるブリヂストンが設けた「ブリヂストン・サッカースクール」をサガン鳥栖が運営するなど、ホームタウン区域外での活動も行っているわ。
2011年シーズンのJ2で2位になり、2012シーズンからJ1昇格したの。
2022年現在、J2からJ1へ初昇格後に、J2への降格経験がない唯一のクラブなのよ。
2018年7月にはフェルナンド・トーレスを獲得したことでも話題になったわ。
J1での最高位は、5位を2回で止まっているけど、ホームタウンと周辺の人口が他クラブに比べて少なく、地元企業や自治体も決して豊かと言えない地域のクラブながら、常に注目を集めているわ。
実は、創成期のサガン鳥栖は、クラブ消滅寸前の所だったの。
まずは、サガン鳥栖の生い立ちから話すわね!
サガン鳥栖は、1987年にPJMジャパンが静岡県浜松市で設立した、PJMフューチャーズが前身なの。
2002年のアジア開催のW杯を見据えて、優秀な選手を輩出しようというプロジェクトから生まれたチームなの。
浜松市にある佐鳴湖の近くに、自前のサッカー場であるPJM佐鳴湖サッカー場を開設し、読売サッカークラブを迎えて、こけら落としの試合が開催されたわ。
チームは静岡県西部3部リーグからスタートし、森下仁之やアルゼンチンのスーパースターだったマラドーナの実弟のウーゴマラドーナらの活躍で順調に昇格。
発足から91連勝で、1992年に東海社会人サッカーリーグで優勝して、1993年からジャパンフットボールリーグ2部に昇格。
この年は元アルゼンチン代表のセルヒオ・バティスタが加入し、準優勝。
そして、1991年に佐賀県サッカー協会が、PJMフューチャーズの佐賀県への誘致を決定。
PJMジャパンの社長が佐賀県出身という事もあって、1994年に鳥栖市へホームタウンを移転すると共に、運営会社として、フューチャーズフットボールクラブ株式会社を設立。
チーム名称を『鳥栖フューチャーズ』に改名することとして、Jリーグ準会員としても承認されたわ。
また、チーム名変更とともに、運営会社も株式会社佐賀スポーツクラブに改名したわ。
ただし、当時は準会員チームも参加可能だった、JリーグカップやJサテライトリーグへは参加できなかった。
1995年は元日本代表GKの松永成立や、元カメルーン代表のステファン・タタウなどを補強したの。
1996年も選手の大量補強が行われ、6月に鳥栖スタジアムがオープンすると、平均入場者数は1万人を越えたの。
しかし、3年連続でJFL4位にとどまり、Jリーグ昇格は叶わなかったわ。
そんな中、PJMジャパンが、経営不振のため日本から撤退したため、鳥栖フューチャーズの経営からも撤退したの。
また、その頃は静岡県藤枝市を拠点としていた中央防犯FCがJリーグ参入を目指して福岡市に本拠地を移転し、福岡ブルックス(現在のアビスパ福岡の前身)が誕生。
地理的に競合することとなった上に、鳥栖移転時にスポンサーになるはずだった福岡の企業がスポンサーを辞退。
10億4,300万円の負債を抱えた株式会社佐賀スポーツクラブは、臨時株主総会を開いて解散を決議したの。
Jリーグも鳥栖フューチャーズの準会員資格を取り消したわ。
チーム存続を求める5万人を超える署名があった事などを受け、佐賀県サッカー協会などが任意団体「サガン鳥栖FC」を創設し、鳥栖フューチャーズの権利を引き継いだの。
Jリーグは鳥栖フューチャーズのジャパンフットボールリーグ残留と同年のナビスコカップ参加を決定したの。
しかし、急遽設立したために、事務所もなければスタッフもいなかったの。
Jリーグはフロント要員などを派遣したわ。
また、浦和と京都から練習着が、地元高校からビブス、用具メーカーからボールがそれぞれ寄贈されたの。
1998年に「株式会社サガン鳥栖」として法人化。
また、1999年から発足したJ2への入会も決まったわ。
新会社は鳥栖フューチャーズ解散に対する反省から、新法人は大口のスポンサーは設けず、小口の株主を多くする事によって経営の安定化を図ったわ。
しかし、法人化初年度から赤字続きで、小口の融資を集めて増資することで凌いだ結果、株主が多くなったことで経営の主導権争いや、会社の経営方針に対する株主からの批判が相次ぎ、狙いとは逆に経営の混乱が続いたの。
1998年オフには、Jリーグから2年契約で斡旋されていた、大口スポンサーとの契約が終了し、次期運営予算が大幅に減少して、主力選手を多数解雇する羽目となったわ。
2002年に建設会社社長の古賀照子が社長に就任したの。
しかし、古賀は自分の方針に反対する幹部や職員などを大量に解雇し、スタッフを一新したの。
大口スポンサーの撤退が相次ぎ経営は厳しくなる一方で、同年11月には早くも古賀は辞任を表明するも、結局留任するなど、混迷をさらに深めていったわ。
2004年シーズンは選手の約半分を入れ替えてシーズンに臨み、前半戦は五分の成績であったが、後半戦は故障者が続出したこともあり、22試合でわずか1勝しかできなかったの。
さらにピッチ外では、社長である古賀が選手らを創価学会および公明党関連の行事、選挙活動へ出席させたり、株主からの決算書開示請求を放置した商法違反などを始めとした、クラブ経営の公私混同ぶりが露見したの。
この件に抗議した現場と、古賀中心のフロントが対立したわ。
さらに古賀は、このシーズンのサポーターミーティングにて、鳥栖スタジアムの解体案という前代未聞の経営整理案を提示したの。
鳥栖スタジアムの解体案!
!
スタジアムなくなったら、どこで試合をするんですか?
さすがにスタジアムの出資元の鳥栖市から激しく抗議され、鳥栖市も古賀の退任を要求したの。
会社・サポーター・出資元という三つ巴の騒動となり、クラブ消滅も現実味を帯びていったわ。
秋には古賀が三度目の辞任を表明。
それに代わる新しい経営陣を一旦決定したが、新社長に就任する予定の井上良一が運営する会社の経営について、Jリーグから疑問視する意見が上がり、このまま運営するようであれば、除名も辞さない可能性があったの。
また、当時ライブドアの社長だった堀江貴文も、クラブ買収の意向を示したが、実現しなかったわ。
もし、堀江さんが買収していたら、また違った意味で混迷しそうですね!
今後は佐賀県が推薦する企業を中心に話を進めていったの。
佐賀県知事が、佐賀県出身の元映像ディレクターで、人材ネットワーク会社「クリーク・アンド・リバー社」を経営する、井川幸広にクラブ経営を要請し、井川と古賀が県、Jリーグ関係者も同席して初めて顔を合わせ、スムーズな経営体制の移譲に向けた「第一歩」を踏み出したかと思われた。
しかし、一部株主により臨時株主総会を開き、井上ら4人を取締役に選任する議案が提案されたの。
この取締役選任は、新組織に自らの影響力を残すためと見られているわ。
しかし、これがチーム存続への最後のチャンスと見る鳥栖市は、交渉が不調に終わった場合、ホームタウン返上とクラブへの支援打ち切りを表明したの。
結局、井上らの取締役の選任は否決されたわ。
そして、井川を中心に出資して設立された「株式会社サガンドリームス」に対し、経営権を2,400万円で譲渡することとなったわ。
それでも、経営は赤字が多く続いたわ。
でも、そこに救いの手が現れたわ。
Cygamesの社長が佐賀県伊万里市出身だった縁もあり、2015年7月からサガン鳥栖とスポンサー契約を締結。
Cygamesって、グラブルとかウマ娘で有名なゲーム会社ですよね!
スポンサーとしては異例となる、年間5億円以上の大型契約だったの。
また、鳥栖スタジアムの老朽化部分の改修費用にと、Cygamesが、2017年度から3年間で、合計6億8,600万円を鳥栖市に寄付したの。
金銭的な支援だけでなく、同社のゲームとコラボでサガフェスやスペシャルマッチを開催したり、熊本地震の際は1万名を無料招待など、多方面で支援していたわ。
その宣伝効果は、サガン鳥栖にとって絶大なものだったの。
確かに、楽しそうでスタジアムに行きたくなりますね!
今でも支援は続いているんですか?
2019年1月末でCygamesとのスポンサー契約が終了したわ。
契約を更新しなかった背景には、Cygamesの親会社のサイバーエージェントが、町田ゼルビアのオーナーになったからと言われているわ。
それでも、鳥栖サポーターは、Cygamesにすごく感謝しているそうよ。
Cygamesとのスポンサー契約が終了して、経営状態は大変かもしれないけど、2021シーズンはJ1で7位まで躍進したわ。
2022シーズンもその勢いのまま、もっと上に行ってほしいですね!
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